Q.訪日外客数の月次推移(2026年)
JNTOが公表する訪日外客数(推計値)の月別です。2026年は1〜4月の累計が1,437万5,800人で、前年同期比-0.5%とほぼ前年並み。4月は369万2,200人で、前年割れながら2026年の単月では最も多い水準です。
| 月 | 訪日外客数 | 前年同月比 | メモ |
|---|---|---|---|
| 2026年1月 | 3,597,881人 | -4.9% | 年明けの閑散期 |
| 2026年2月 | 3,466,848人 | +6.4% | 春節需要 |
| 2026年3月 | 3,618,900人 | +3.5% | 桜シーズン入り |
| 2026年4月 | 3,692,200人 | -5.5% | 2026年の単月最高。中国半減・イースター前倒し |
| 1〜4月累計 | 14,375,800人 | -0.5% | 2年連続の1,400万人台 |
Q.延べ宿泊・客室稼働率の月次推移(2026年)
観光庁『宿泊旅行統計調査』の月別です。延べ宿泊者数は1月の4,628万人泊から春にかけて増え、4月は5,063万人泊。客室稼働率も1月53.1%から4月59.7%へ季節的に上がっています。外国人宿泊は1月の-12.9%から4月の-9.0%まで、前年割れが続いています。
| 月 | 延べ宿泊者数 | うち外国人 | 客室稼働率 | 段階 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年1月 | 4,628万人泊 -5.3% | 1,320万人泊 -12.9% | 53.1% | 第1次速報 |
| 2026年2月 | 4,625万人泊 -3.5% | 1,298万人泊 -5.6% | —※ | 第1次速報 |
| 2026年3月 | 5,441万人泊 -2.0% | 1,428万人泊 -3.6% | 59.4% | 第2次速報(確報) |
| 2026年4月 | 5,063万人泊 -4.6% | 1,573万人泊 -9.0% | 59.7% | 第1次速報 |
Q.主要市場の月次推移は?
訪日外客数の主要4市場の月別です(JNTO)。韓国・台湾が通年で厚みを持つ一方、中国は前年から大きく落ちています。米国は桜シーズンの3月にピークを迎えました。単位は人。
| 市場 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 |
|---|---|---|---|---|
| 韓国 | 1,176,089 | 1,086,381 | 795,600 | 878,600 |
| 中国 | 385,519 | 396,511 | 291,600 | 330,700 |
| 台湾 | 694,551 | 693,620 | 653,300 | 643,500 |
| 米国 | 207,784 | 219,741 | 375,900 | 330,000 |
Q.2026年1月分からの調査設計変更とは?
観光庁は層化基準の変更について(PDF)を公表し、2026年1月分から宿泊施設の層化変数を「従業者数」から「客室数」に変更しました。無人フロントや省力化施設が増え、従業者数では宿泊供給の実態を捉えきれなくなったことが背景です。
実務への影響
- 前年同月比は参考値: 2026年1〜12月分は新旧基準が混在する。観光庁のQ&A(PDF)でも参考値扱いが推奨されている
- 小規模施設の捕捉精度が向上: 簡易宿所・小規模旅館の実態が反映されやすくなった。簡易宿所の稼働率23.3%という数字も実態に近い可能性がある
- 時系列分析は2027年以降: 新基準で12か月分が揃うまでは、月次の方向感をつかむ程度にとどめる
- 社内レポートに注記を入れる: 経営会議資料やKPIダッシュボードで宿泊統計を引用する際は「新層化基準」の注記を添える
Q.このページの使い方と更新方針
月次の数字を1か所で追えるように、訪日外客数と宿泊統計の主要指標を毎月ここに足していきます。経営会議資料や需要予測の前提として、最新月と前年同月比をそのまま引けます。
- 毎月の更新: JNTOの訪日外客数(翌月20日前後)と観光庁の宿泊統計(翌月末)が公表されるたびに、最新月の行を追記する
- 段階の確認: 各月に速報と確報の段階がある。確報で数字が動くため、年単位の比較は確報値を使う
- 前年比は参考値: 2026年から宿泊統計の集計基準が変わったため、前年同月比は方向感(増えている/横ばい)の把握にとどめる
- 各月の深掘り: 国別内訳・施設タイプ別・背景は、その月の速報解説にリンクしている
5月分速報・4月分第2次速報(ともに6月下旬)までにやること
| やること | 締切 | 担当 |
|---|---|---|
| 4月実績(自施設の稼働率・ADR・市場別ミックス)を施設タイプ別平均と突合 | 2026年6月10日 | 予約/レベニュー |
| 夏季(7-8月)料金の最終確定。台湾・韓国・米国を主軸に、中国減を前提に再設計 | 2026年6月20日 | レベニュー/マーケ |
| 前年同月比は参考値として扱う旨を経営会議資料の定型注記に追加 | 2026年6月中 | 経営企画 |
| 4月分 第2次速報(6月下旬公表)で都道府県別を確認、地方分散度合いをチェック | 2026年6月末 | 経営企画/予約 |
| 5月分 第1次速報(6月下旬予定)を24時間以内に経営会議資料に反映 | 2026年6月末 | 経営企画 |
Q.公表スケジュールと第1次・第2次速報の使い分けは?
宿泊旅行統計は、第1次速報が翌月下旬、第2次速報がさらにその翌月下旬に出ます。自社の料金改定サイクルや経営会議のタイミングに合わせて使うのが実務的です。
| 対象月 | 第1次速報 | 第2次速報 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 2026年2月分 | 4月下旬(公表済) | 5月下旬(公表済) | 春節月の確定値 |
| 2026年3月分 | 4月30日(公表済) | 5月29日(確定) | 桜シーズン+地方分散の確定 |
| 2026年4月分 | 5月29日(今回) | 6月下旬(予定) | GW・夏前の動向 |
| 2026年5月分 | 6月下旬(予定) | 7月下旬(予定) | 夏季料金の最終調整 |
第1次速報と第2次速報の違い
- 第1次速報: 客室数20室以上の施設を集計。翌々月下旬公表で速報性を優先
- 第2次速報: 20室未満の小規模施設も含む全数ベース。さらにその翌月下旬に公表
- 使い分け: 月次の料金・販売経路の調整には第1次速報、年間まとめや大型投資の判断には第2次速報
- 修正の頻度: 第2次速報後にも年次確定値で小幅な修正が入ることがある。年単位の比較には確定値を使う
Q.よくある質問
Q1. この月次推移の数字はどこまで信頼できますか?
各月とも公表元(訪日はJNTO、宿泊は観光庁)の値です。宿泊統計は速報と確報の2段階があり、確報で小幅に動きます。表の「段階」列で確認できます。月次の料金調整や販売判断には速報で十分ですが、年間まとめや大型投資には確報値を使ってください。
Q2. 中国の宿泊が前年比52.6%減と半減したのはなぜですか?
確定した3月の国籍別で中国は99万7,320人泊(-52.6%)でした。団体旅行と航空便の回復が途上にあり、前年の高水準からの反動も重なっています。ただし台湾192.8万・香港57.3万を含む東アジア全体では引き続き大きな市場で、4月の訪日でも韓国・台湾が二桁増で全体を支えています。
Q3. 全タイプ平均59.7%を自施設の目標にしてよいですか?
目標にはしないでください。ビジネス74.3%、シティ72.5%、リゾート54.5%、旅館40.3%、簡易宿所23.3%とタイプごとに大きく異なります。比べるべきは同タイプの平均値であり、全体平均との比較では立地や商品力の課題を見誤ります。
Q4. 民泊(住宅宿泊事業)はこの統計に含まれますか?
含まれません。民泊は別途、観光庁民泊制度ポータルで「住宅宿泊事業の宿泊実績」として公表されます。民泊と宿泊業法上の施設の枠組みの違いは旅館業法と民泊新法の違いと住宅宿泊事業法 年間180日上限の実務運用で整理しています。
Q5. 層化基準が変わった後、前年同月比はどこまで使えますか?
厳密な時系列比較には使えません。観光庁の接続係数や注記を確認しつつ、当面は「伸びている/横ばい」程度の方向感にとどめてください。新基準で12か月分が揃う2027年以降、信頼できる前年同月比が利用可能になります。
Q6. 旅館の稼働率40.3%は構造的な天井ですか?
構造的な要因が大きいです。1泊2食・高単価のモデルはビジネスホテルのような連泊・出張需要を取り込みにくく、稼働率の天井が低くなります。一方、温泉地では桜・紅葉・年末年始に需要が偏り、月ごとの振れ幅はビジネスホテルより大きくなります。年間40%台でもADRが高ければ収益性は成り立つ構造です。
