現場で必要な英語の量 ホテルフロントの接客英語は、5つの場面で使う30フレーズを覚えれば日常業務が回ります。
場面で絞る理由 フロント業務で英語を使う場面は、チェックイン・館内案内・リクエスト対応・会計・電話に集約されます。場面ごとの定型文を持っておけば、毎回ゼロから文を組み立てる必要がありません。
記事の構成 5場面それぞれで使う定型文・聞き返し方・和製英語の落とし穴を、そのまま口に出せる形で並べています。
読んだ後にやること 自分が担当する時間帯で一番多い場面のフレーズを5つ選び、翌日のシフトで使います。
用語集との関係 ホテル業界の専門用語はホテル用語集でまとめています。
場面 代表フレーズ 使う瞬間
チェックイン May I have your name, please? 予約確認の最初の一言
館内案内 The restaurant is on the 2nd floor. ルームキーを渡した直後
リクエスト対応 I'll bring it to your room right away. タオル追加・備品依頼
会計 Here is your receipt. チェックアウト精算後
電話 Thank you for calling. How may I help you? 外線着信の第一声

各場面のフレーズ全文は本文で紹介

チェックインで使う6フレーズ

「Good evening. Do you have a reservation?」――チェックインカウンターに外国人ゲストが来たとき、最初に口にする一言です。予約の有無を確かめたら、名前の確認、パスポート、ルームキーの受け渡しと進みます。流れは日本語のチェックインと同じです。英語に変わるのは口にする文だけで、やることは変わりません。

#英語フレーズ日本語(意味)使う場面
1 Good evening. Do you have a reservation? こんばんは。ご予約はされていますか? 来館直後の第一声
2 May I have your name, please? お名前をいただけますか? 予約確認
3 May I see your passport, please? パスポートを拝見できますか? 本人確認・宿泊者名簿記入
4 Here is your room key. Your room is on the 5th floor. ルームキーです。お部屋は5階です。 鍵の受け渡し
5 Breakfast is served from 6:30 to 9:00 on the 2nd floor. 朝食は2階で6:30から9:00です。 朝食案内
6 Do you need help with your luggage? お荷物をお持ちしましょうか? 大きな荷物を持っている場合
予約名が聞き取れなかったときは「Could you spell your last name for me?」で綴りを確認します。聞き返すこと自体は失礼にあたりません。

館内案内で使う6フレーズ

ルームキーを渡した直後、ゲストは「Wi-Fiはどこで繋がるか」「コンビニは近いか」「大浴場はあるか」を聞いてきます。全部に長い文で答える必要はありません。場所+階数、または場所+方向を伝える短い文で足ります。

#英語フレーズ日本語(意味)使う場面
7 The Wi-Fi password is on the card in your room. Wi-Fiパスワードはお部屋のカードに記載しています。 Wi-Fi案内
8 The nearest convenience store is about a 2-minute walk. Turn right from the entrance. 最寄りのコンビニは徒歩2分です。入口を右に出てください。 周辺案内
9 The vending machines are on every floor, next to the elevators. 自動販売機は各階エレベーター横にあります。 館内設備
10 The public bath is on the 1st floor. It's open from 3 PM to midnight. 大浴場は1階です。午後3時から深夜12時まで利用できます。 大浴場案内
11 You can use this elevator to go to your floor. このエレベーターでお部屋の階まで行けます。 エレベーター案内
12 The ice machine is at the end of the hallway on your floor. 製氷機はお部屋の階の廊下の突き当たりにあります。 製氷機の場所
自館の施設名や階数を事前に英語で書き出しておくと、咄嗟のときに迷いません。フロントに「館内案内の英語カード」を置いているホテルもあります。

リクエスト対応で使う6フレーズ

「枕をもう1つほしい」「歯ブラシがない」「部屋が寒い」。滞在中のリクエストは、要望を聞き取って「対応する/できない/代わりの手段を示す」の3パターンに分かれます。

#英語フレーズ日本語(意味)使う場面
13 Certainly. I'll bring it to your room right away. かしこまりました。すぐお部屋にお届けします。 すぐ対応できるとき
14 I'm sorry, but that is not available. May I suggest ...? 申し訳ございません。ご用意がありません。代わりに…はいかがでしょうか? 要望に応えられないとき
15 One moment, please. Let me check for you. 少々お待ちください。確認いたします。 確認が必要なとき
16 Would you like extra towels or pillows? タオルや枕の追加はいかがですか? 備品の追加確認
17 I'll send someone to your room to fix it. お部屋に係を向かわせます。 設備不具合の対応
18 Let me get someone who can help you. 対応できる者を呼びます。 自分で対応しきれないとき
「Please wait.」は命令調に聞こえます。「One moment, please.」か「Just a moment, please.」を使います。

チェックアウト・会計で使う6フレーズ

チェックアウトの英語は、精算金額の提示・支払い方法の確認・領収書の受け渡しの3手順です。ミニバーや追加料金がある場合の一言を加えても、使うフレーズは6つで収まります。

#英語フレーズ日本語(意味)使う場面
19 Are you checking out? チェックアウトですか? ゲストがキーを持って来たとき
20 Your total is 12,000 yen. 合計12,000円です。 精算金額の提示
21 How would you like to pay? Cash or credit card? お支払い方法はいかがなさいますか?現金、クレジットカードが使えます。 支払い方法の確認
22 Here is your receipt. 領収書です。 精算後の受け渡し
23 There is an additional charge of 500 yen for the minibar. ミニバーの追加料金500円がございます。 追加料金がある場合
24 Thank you for staying with us. Have a good trip! ご宿泊ありがとうございました。よい旅を! 見送りの一言
金額を伝えるときは、口頭だけでなく電卓やPMS画面の数字を指し示すと確実です。

電話対応で使う6フレーズ

電話は表情もジェスチャーも使えません。対面より難しい分、決まった型を持っておく効果が大きい場面です。外線(予約や問い合わせ)と内線(ゲストからの依頼)の両方で使えるフレーズを並べます。

#英語フレーズ日本語(意味)使う場面
25 Thank you for calling [Hotel Name]. How may I help you? [ホテル名]にお電話ありがとうございます。ご用件を承ります。 外線の第一声
26 May I have your name and room number, please? お名前とお部屋番号をお聞きできますか? 内線で本人確認
27 Could you spell that for me, please? 綴りを教えていただけますか? 名前が聞き取れないとき
28 I'll transfer you to the reservation desk. 予約担当におつなぎします。 電話を転送するとき
29 Could I put you on hold for a moment? 少々お待ちいただいてもよろしいですか? 保留にするとき
30 I'd like to set a wake-up call for 6 AM. Is that correct? モーニングコールを朝6時に設定します。よろしいですか? モーニングコール依頼への復唱
「モーニングコール」は和製英語です。英語では wake-up call を使います。

聞き取れなかったときの切り札

30フレーズを覚えても、ゲストの返答が聞き取れない場面は必ず来ます。黙り込むのが一番困ります。聞き返すこと自体は失礼ではないため、聞き返しの型を2つ持っておきます。

聞き返しの定型文

I'm sorry, could you say that again slowly?

すみません、もう一度ゆっくりお願いできますか?

速度を落としてもらうだけで聞き取れる場面は多い

聞き取れた部分だけで確認する型

You said ... room change? / You need ... extra towels?

「お部屋の変更、ですか?」「タオルの追加、ですか?」

聞き取れた単語を繰り返すと、相手が「Yes」か言い直しで返してくれる

どうしても通じないときは「Let me get someone who can help you.」で英語ができるスタッフに引き継ぎます。1人で抱え込む必要はありません。

和製英語の落とし穴

ホテルの現場には、日本語ではそのまま通じるのに英語では通じない表現が混ざっています。自分では英語を話しているつもりでもゲストに伝わらない原因は、和製英語であることが多いです。

和製英語(通じない)正しい英語補足
フロント front desk / reception 英語で "front" だけではどこを指すか伝わらない
モーニングコール wake-up call "morning call" は英語圏で使われない
サービス(無料の意味) complimentary / free of charge "service" は「役務」の意味になる
アメニティ amenities(通じるが)
towels and toiletries のほうが明確
amenities は施設全体の快適さを指す語でもある
コンセント outlet / power outlet "consent" は「同意」の意味になる
クレーム complaint "claim" は「主張・請求」の意味

注意が必要な表現

「This is service.」と言うと「これはサービス(役務)です」に聞こえます。無料であることを伝える場合は「This is complimentary.」か「This is free of charge.」を使います。

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よくある質問

ホテルフロントの接客英語は何フレーズ覚えれば足りますか?
チェックイン・館内案内・リクエスト対応・会計・電話の5場面で、各場面6フレーズ前後、合計30フレーズあれば日常のフロント業務は回ります。まず自分が担当する時間帯で頻出する場面のフレーズから覚えると、翌日から使えます。
英語が聞き取れなかったときはどう返せばいいですか?
「I'm sorry, could you say that again slowly?」が万能です。聞き取れた単語だけ繰り返して「You said ... room change?」と確認すると、相手が言い直してくれます。黙ってしまうのが最も困るため、聞き返すこと自体は失礼にあたりません。
「少々お待ちください」は英語で何と言いますか?
「One moment, please.」が定番です。「Just a moment.」でも通じます。「Please wait.」は命令調に聞こえるため避けます。上司や英語が話せるスタッフを呼ぶ場合は「Let me get someone who can help you.」と添えると、ゲストも安心します。
チェックイン時に最低限必要な英語フレーズは?
予約確認の「May I have your name, please?」、パスポート提示依頼の「May I see your passport, please?」、ルームキーの受け渡し「Here is your room key. Your room is on the 5th floor.」の3つがあれば、チェックインの基本動線は英語で完結します。
和製英語で通じない表現にはどんなものがありますか?
「フロント」は和製英語で、英語では「front desk」または「reception」です。「モーニングコール」は「wake-up call」、「サービス(無料の意味)」は「complimentary」または「free of charge」を使います。「アメニティ」は英語でも amenities で通じますが、「towels and toiletries」のように具体名を挙げたほうが伝わります。
電話で英語対応するときのコツは?
電話は表情やジェスチャーが使えないぶん、対面より難しくなります。最初に「Thank you for calling [ホテル名]. How may I help you?」で名乗り、聞き取れなければ「Could you spell that for me?」で文字確認します。メモを取りながら復唱する習慣をつけると聞き漏らしを防げます。

出典

  1. 観光庁「宿泊施設における多言語対応ガイドライン」(令和6年改訂)
    https://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kokusai/multilingual.html (取得日: 2026-06-09)
  2. JNTO「外国人旅行者が困ったこと」調査(2024年度)
    https://www.jnto.go.jp/statistics/ (取得日: 2026-06-09)
  3. 宿泊業技能試験テキスト(旅館・ホテル分野)一般社団法人宿泊業技能試験センター
    https://shukuhaku-skills.or.jp/ (取得日: 2026-06-09)

本稿はホテルフロントの接客英語の一般的な解説であり、個別の館内ルールや運用は自館の方針に従ってください。2026-06-09時点の情報に基づいています。