楽天トラベルの施設ページを開くと、写真が1枚だけ、あとは楽天の標準テンプレートそのまま。こういう施設は少なくない。管理画面からカスタマイズページを編集できることを知っていても、「手が回らない」「やり方がよくわからない」で放置されている。

ある温泉旅館の担当者は「OTAの中の話だから、どうせOTAの予約にしかならない」と言っていた。確かに、楽天ページをいくら整えても楽天経由の予約になる。ただし、楽天には法人ラッパーという仕組みがある。施設独自のURLで楽天の在庫を使いながら、見た目を自施設のページに近づけられる。この機能を使えば、OTAの在庫と決済を活かしつつ「公式サイトで予約した」という体験を作れる。

カスタマイズページの整備と法人ラッパーの活用。両方とも追加費用はかからない。やらない理由は「知らない」か「面倒」のどちらかだけ。

カスタマイズページが手薄な施設の実態

楽天トラベルの施設ページには、標準で表示される情報と、施設側が編集できるカスタマイズ領域がある。標準情報は楽天が用意した定型レイアウトで、住所、電話番号、チェックイン・アウト時間、アクセス情報が並ぶ。差がつくのはカスタマイズ領域のほう。

手薄な施設に共通するのは、写真1枚、テキストは施設名と住所だけ、HTMLカスタマイズは白紙という状態。楽天が自動生成した情報しか載っていないので、隣の施設との違いが伝わらない。旅行者は複数の施設を比較しながら見ているから、「どんな宿か一目でわかる」施設と「何も情報がない」施設では、クリック先が変わる。

ビジネスホテルでも事情は同じ。客室の写真がなく、ロビーの写真1枚で済ませている施設がある。出張者が気にするのは「デスクの広さ」「コンセント位置」「ユニットバスかセパレートか」で、それが見えない施設は候補から外れやすい。

なぜ放置されるのか

管理画面の操作がわかりにくいことと、HTMLの知識が要ること。この2点がハードルになっている。楽天トラベルの施設管理画面はメニュー項目が多く、カスタマイズページの編集画面にたどり着くまでに何クリックか必要になる。テキストと写真だけならHTMLは不要だが、レイアウトを整えようとするとCSSの編集が入ってくるので、フロントやマーケ担当者には手が出しづらい。

写真を3〜4枚に増やす効果

写真の枚数を増やすだけで変わるのは、施設の印象ではなく「情報量」。旅行者がOTAの施設ページで判断に使うのは、テキストよりも写真。1枚しかなければ判断材料が足りず、別の施設の写真を見に行く。

最低限載せたい写真

外観(昼)──第一印象を決める。夜景は追加で載せるとよい
客室(主力タイプ)──ベッド、窓からの眺望、デスク周りが写るアングル
食事(旅館の場合)──夕食メインの盛り付け。ビジネスホテルは朝食バイキング
風呂・大浴場(温泉旅館の場合)──露天があれば露天。なければ内湯

温泉旅館なら外観・客室・食事・風呂の4枚。ビジネスホテルなら外観・客室・朝食の3枚が最低ライン。季節で写真を差し替える余力があれば、春夏秋冬で外観写真をローテーションすると「更新されている施設」という印象も加わる。

写真のクオリティ

プロのカメラマンに頼めればベストだが、予算がなければスマートフォンで十分。ただし条件がある。自然光で撮ること、横向きで撮ること、不要物(ゴミ箱、清掃用具、個人の持ち物)が写り込まないこと。暗い写真は「暗い宿」という印象になるので、照明をすべて点けたうえで日中に撮る。

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法人ラッパーの作り方

法人ラッパーは楽天トラベルが提供する法人向けの予約ページ機能。施設独自のURLを持ち、デザインを自施設に寄せたページで楽天の在庫と決済を使える。通常の楽天トラベルページとは別に、「自社の予約ページ」として運用できる。

法人ラッパーで変えられること

旅行者から見れば「施設の公式予約ページ」に見えるが、裏側は楽天の在庫管理と決済。二重入力も在庫ずれも起きない。

導入の流れ

楽天トラベルの営業担当に「法人ラッパーを使いたい」と伝えるところから始まる。申請後、テンプレートが提供される。ヘッダーとフッターのHTML、ロゴ画像、色指定を用意して設定すれば完成。HTML/CSSの編集が必要になるため、公式サイトの制作を委託しているWeb制作会社があれば、同じ会社に依頼するのが効率的。

法人ラッパーとカスタマイズページの使い分け

カスタマイズページは「楽天トラベル内の施設ページを充実させる」ために使う。楽天のサイト内で検索してたどり着く旅行者への情報提供が目的。法人ラッパーは「公式サイトからの予約導線として楽天の在庫を使う」ために使う。公式サイトに「予約」ボタンを置き、その先を法人ラッパーページにすれば、予約エンジンを別途契約しなくても予約を受けられる。

両方やるのが正解。カスタマイズページでOTA内の閲覧者を取りこぼさず、法人ラッパーで公式サイトからの導線を確保する。

カスタマイズページとAI検索の関係

ChatGPTやGeminiが宿泊施設を推薦するとき、参照するのは公式サイトだけではない。OTAの施設ページも情報源になる。楽天トラベルのカスタマイズページに書かれたテキストや施設の特徴が、AI検索の回答に引用される場面が実際に起きている。

カスタマイズページが白紙の施設は、AIに対しても「情報がない施設」になる。施設名、住所、チェックイン時間しかデータがなければ、AIが推薦文を組み立てるときの素材が足りない。「駅から徒歩3分のビジネスホテル」とは書けても「リノベーション済みの客室にシモンズベッドを導入、全室に大型デスクとUSB電源を完備」とは書けない。その情報がどこにもないから。

OTAページに書くべきテキスト

AI検索に拾われることを意識するなら、カスタマイズページのテキストにも事実情報を盛り込む。

「おもてなしの心でお迎えいたします」のような抽象的な文章では、AIも人間も施設の特徴を掴めない。事実と数字で書く。

よくある質問

Q. カスタマイズページの変更はどこから行えますか?

楽天トラベルの管理画面(施設管理ページ)からカスタマイズページの編集が可能です。「ページデザイン設定」メニューから写真の追加やHTMLの編集ができます。

Q. 写真は何枚くらい載せるのが適切ですか?

最低3〜4枚。外観、客室、食事、風呂(温泉旅館の場合)を押さえてください。季節ごとに差し替える余力があれば5〜6枚が理想です。

Q. 法人ラッパーとは何ですか?

楽天トラベルが提供する法人向け予約ページの仕組みです。施設独自のURLで楽天の在庫と決済を利用しながら、ページの見た目を自施設のデザインに寄せられます。

Q. 法人ラッパーを使うのに費用はかかりますか?

法人ラッパー自体の利用料は発生しません。楽天トラベルとの契約がある施設であれば申請可能です。手数料体系は通常の楽天予約と同じです。

Q. カスタマイズページの変更はすぐ反映されますか?

管理画面で保存後すぐに反映されます。ただしキャッシュの関係で閲覧者に届くまで数時間かかる場合があります。