LLMO対策は、外注しなくても自分で始められる
「LLMO対策 やり方」で調べると、出てくるのは業者の見積もりページばかり。月に数万円の外注費は、家族で切り盛りする旅館には重い。まず知ってほしいのは、費用をかけず、あなたの手だけで動かせる部分がはっきりあることです。
LLMO(大規模言語モデル最適化)は、AIO・GEOとも呼ばれる、ChatGPTやGeminiに自館を選んでもらうための対策です。仕組みの基本はホテルのAI検索対策とはにまとめています。ここで扱うのは、そのうち今日から自分で進められる範囲だけ。どの項目にも「何を・どこで・どうやるか」「かかる時間」「できたかどうかの見分け方」を付けたので、読み終えたら1つ目に印を付けて動けます。
費用ゼロでできることを、先に一覧で見る
自分の手で進められるのは6つ。上から順に効きます。まずは全体を見渡して、どこから手をつけるかの見当をつけてください。
| やること | 目安の時間 | できたかの見分け方 |
|---|---|---|
| ① 3つのAIで、今どう出るか確かめる | 約30分 | 一般ワードで自館名が挙がる |
| ② 公式サイトの文言を、エリア+目的で書き直す | 1〜2時間 | 「〇〇温泉で露天風呂のある宿」の問いに各ページが答えている |
| ③ 旅行者の言葉でFAQを用意する | 約1時間半 | 予約前によく聞かれる問いが3つ以上載っている |
| ④ 口コミと公式サイトの食い違いを消す | 約1時間 | 口コミで繰り返し出る強みが公式の目立つ位置にある |
| ⑤ Googleビジネスプロフィールを埋める | 30分〜1時間 | 写真・営業時間・設備の空欄がない |
| ⑥ 構造化データを無料ツールで作る | 約30分 | リッチリザルトテストでエラーが出ない |
費用がかかるとすれば、自社サイトの編集を制作会社に頼むときの作業費だけです。文章を書き、情報をそろえる部分は、施設を一番よく知る女将や支配人が自分でやるほうが中身が濃くなります。詳しいやり方を、1項目ずつ見ていきます。
① 3つのAIで、今どう出るかを確かめる
ChatGPT・Gemini・Perplexityの無料版を開き、旅行者になったつもりで質問します。施設名は出さず、「〇〇温泉 露天風呂 旅館 おすすめ」「△△駅 家族 宿 送迎あり」のように、エリアと目的を組み合わせた一般ワードで3〜5問。自館の名前が挙がるか、代わりにどの競合が出るかを、紙かメモ帳に書き写します。
所要時間は3エンジン合わせて約30分。できたかの見分け方は、一般ワードで自館名が挙がるかどうか。挙がらなければ、施設名を知らない旅行者には自館が見えていない状態です。無料版で足りるので、費用はかかりません。
ただし、手で回せるのは数問まで。質問の言い回しを少し変えるたびに答えが動くため、何十問も横断して安定した傾向をつかむのは手作業では難しい。ここが、自分の目で確かめることの限界です。多くのワードをまとめて測るなら、質問を機械的に回す診断の出番になります。
② 公式サイトの文言を、エリア+目的で書き直す
客室・温泉・アクセスの各ページで、「露天風呂あり」のような単語だけの記述を、旅行者の目的とエリア名を含む一文に直します。たとえば「〇〇温泉の湯を引いた、夜通し入れる貸切露天風呂」。エリア名(温泉地名・最寄り駅)は、主要な各ページに最低1回入れます。
強みを1ページに閉じ込めないことも大切です。温泉ページにしか湯の説明がなく、アクセスページに温泉の一言もない状態では、AIはエリアと設備を結びつけられません。情報が別々のページに散らばると、「〇〇温泉で露天風呂のある宿」という問いに対して、AIが手がかりを1か所で拾えないためです。主要な強みは、エリア情報とセットで複数のページに載せます。
自社サイトの管理画面で直せるなら費用はゼロ。1ページ15分、主要5ページで1〜2時間が目安です。できたかの見分け方は、「〇〇温泉で露天風呂のある宿」と声に出して読み、そのページがその問いに答えているか。文章づくりは自分でできます。制作会社に頼むのは、管理画面から直せない構造部分だけで足ります。
③ 旅行者の言葉でFAQを用意する
予約前によく聞かれる質問を、旅行者の言葉のまま10問ほど書き出し、公式サイトにQ&Aの形で載せます。素材は、電話やメールで実際に来た問い合わせ。「〇〇温泉で貸切風呂のある宿はありますか」「△△駅から送迎はありますか」のように、エリアと目的を含む問いにします。
所要時間は、質問の書き出しに30分、ページ作成に1時間ほど。できたかの見分け方は、毎週のように電話で聞かれる質問が3つ以上載っているか。旅行者がAIに投げる問いと、自館のFAQの問いが同じ言葉でそろうほど、AIは自館を答えの候補にしやすくなります。文章はすべて自分で書けます。構造化(FAQPage schema)は、⑥の無料ツールでまとめて用意できます。
④ 口コミと公式サイトの食い違いを消す
OTAやGoogleマップの口コミは、AIが宿を評価するときの根拠になります。口コミで言われている強み・弱みと、公式サイトの打ち出しがずれていないかを照合します。
直近半年の口コミを読み、繰り返し出てくる褒め言葉(たとえば「料理が良い」「静かで落ち着く」)が公式サイトに書かれているかを確認します。書かれていなければ、公式側を実態に合わせて足します。返信のない低評価には、事実を補う返信を付けます。返信の型は口コミ返信の型にまとめています。
所要時間は、口コミの通読に約1時間。できたかの見分け方は、口コミで3回以上出てくる強みが、公式サイトの目立つ位置にあるか。OTAとGoogleビジネスプロフィールの管理画面での作業なので、費用はかかりません。
⑤ Googleビジネスプロフィールを埋める
Googleビジネスプロフィールの空欄を埋めます。営業時間・チェックイン時間・写真・設備(駐車場、温泉、Wi-Fiなど)・よくある質問。ここはGoogleマップとAI検索の両方が参照する、最も手をつけやすい場所です。
所要時間は30分〜1時間。できたかの見分け方は、写真が10枚以上あり、営業時間と設備の属性に空欄がないか。すべて無料で、パソコンかスマホの管理画面から直せます。運用の細かな手順はGoogleビジネスプロフィール運用にまとめています。
⑥ 構造化データを無料ツールで作る
住所・料金帯・チェックイン時間・設備・FAQを、schema.orgのJSON-LDという形式にして、AIが機械的に読み取れる状態にします。コードを書く必要はありません。無料の作成ツール(構造化データ作成ツール)に施設情報を入力すると、貼り付け用のコードが出ます。
出力を公式サイトのheadに貼れば完了。情報の入力に20分、貼り付けに10分ほどです。できたかの見分け方は、Googleのリッチリザルトテストにかけてエラーが出ないか。貼り付けはサイトの作りによるため、分からなければ制作会社に貼付だけを頼めば足ります。コード不要の考え方は構造化データ入門にまとめています。
どこから手をつけるか
迷ったら、最初の1つは①の現状確認です。今どう見えているかが分からないまま直すと、直す場所を外します。
次に効くのは、②の文言の書き直しと④の口コミ照合です。AIは複数の情報源が一致していることを推薦の根拠にするため、公式サイト・OTA・口コミが同じ強みを指すようにそろえると、一般ワードで拾われやすくなります。
⑥の構造化データは、中身の文章が整ったあとに載せると効きます。順番を逆にしても無駄にはなりませんが、書かれている情報が薄いまま形式だけ整えても、AIが取り出せる中身がないためです。一度に全部やる必要はありません。週に1項目、印を付けながら進めれば、1か月で一巡します。
よくある質問
LLMO対策は本当に費用ゼロで自分でできますか?
6項目のうち5つは、公式サイトの管理画面・Googleビジネスプロフィール・AIの無料版だけで進められます。費用がかかるとすれば、自社サイトの編集を制作会社に頼むときの作業費だけです。構造化データも無料の作成ツールで用意できます。文章を書き、情報をそろえる部分は、施設を一番よく知る女将や支配人が自分でやるほうが中身が濃くなります。
何から手をつけるべきですか?
最初は現状確認です。ChatGPT・Gemini・Perplexityの無料版で、施設名を出さない一般ワード(エリア+目的)で質問し、自館が挙がるか確かめます。見えていない場所が分かってから直すと、手を動かす順番を外しません。
コードが書けなくても構造化データは作れますか?
作れます。住所・料金帯・チェックイン時間・設備・FAQを入力するとJSON-LDを生成する無料ツールがあり、出力を公式サイトのheadに貼るだけです。貼り付けはサイトの作りによるため、分からなければ制作会社に貼付だけを頼めば足ります。
どのくらいの頻度で見直せばよいですか?
月1回を目安に、一般ワードでの見え方を3つのAIで確かめます。AIのモデル更新で推薦される宿が入れ替わるため、桜・紅葉・年末年始など検索が増える時期の1〜2か月前に情報を足すと効きます。
全部やると、どのくらい時間がかかりますか?
6項目を通しでやると、初回で合わせて半日から1日ほどです。現状確認30分、公式文言の書き直し1〜2時間、FAQ作成1時間半、口コミ照合1時間、Googleビジネスプロフィール1時間、構造化データ30分が目安です。一度に全部やらず、週に1項目ずつ進めても構いません。
自分でやれること、道具や外注に任せること
6項目のうち5つは、公式サイトの管理画面・Googleビジネスプロフィール・AIの無料版だけで、費用ゼロで進められます。文章を書き、情報をそろえる部分は、外注よりも女将や支配人が自分でやるほうが、施設の実態に近い中身になります。
手作業で届かないのは2か所。1つは、何十もの一般ワードを横断して、3つのAIでの見え方を安定して測ること。もう1つは、貼り付け先が分からない構造化データの設置です。前者はビジネスブレーンの無料診断で、ChatGPT・Gemini・Perplexityの3エンジンでの推薦状況を、宿泊業支援38年・PMS1,200施設超の運用データをもとに、1営業日でメールにまとめてお渡しします。まず自館の今の見え方から確かめてください。