ChatGPTに「おすすめの宿」を聞いた時、何が起きているか

「箱根で露天風呂がある旅館を教えて」── こんな質問をChatGPTやGeminiにすると、AIはインターネット上の情報を集めて回答を組み立てます。

このとき、AIが情報源として使っているのは主に3つです。

  1. OTA(じゃらん・楽天トラベル等)の掲載情報
  2. 口コミサイトのレビュー
  3. 公式サイトに書かれた情報

ここで問題が起きます。公式サイトの情報は人間が読むことを前提に書かれているため、AIにとっては「どこに何が書いてあるか」を正確に読み取るのが困難です。その結果、OTAの情報ばかりが引用され、公式サイトの存在が薄くなります。

この問題を解決するのが構造化データです。

63%
AI引用されるホテルのうち構造化データ実装済みの割合
3.2倍
構造化データ実装後のAI推薦率向上(中央値)
89%
構造化データ未実装のホテル公式サイト

出典: Phocuswright「Japan Travel Search Behavior 2025」、Google Search Central Blog「Structured Data Impact Report 2025」

構造化データとは?

構造化データとは、ホテルの情報をAIや検索エンジンが確実に読み取れる形式で書いたものです。公式サイトのHTML内に埋め込む短いコードで、サイトの見た目には一切影響しません。

たとえるなら「名刺」と「自由文の自己紹介」の違い
構造化データなし

「私どもの旅館は箱根にございまして、源泉かけ流しの露天風呂が自慢です。チェックインは15時から、素泊まり8,000円よりご利用いただけます。」

AIは文章を読み解いて「露天風呂がある」「8,000円から」を推測する必要がある

構造化データあり

施設名: 旅館あおば
所在地: 箱根町
設備: 露天風呂 / 内湯 / サウナ
チェックイン: 15:00
料金: 8,000円〜

AIは各項目を即座に正確に読み取れる

名刺を渡された相手が名前・会社・役職を一瞬で把握できるように、構造化データがあればAIはホテルの情報を迷いなく読み取れます。

構造化データで伝えられる情報

ホテル・旅館が構造化データで伝えられる情報は多岐にわたります。以下は代表的なカテゴリです。

カテゴリ伝えられる情報の例AIへの効果
施設の基本情報名称・住所・電話番号・チェックイン/アウト時間・アクセス「この宿はどこにある?」に正確回答
客室タイプ和室/洋室・広さ・ベッド・定員・眺望・禁煙/喫煙「禁煙ツインはある?」に直接回答
温泉・大浴場泉質・露天風呂・サウナ・営業時間・日帰り利用「露天風呂がある宿」で推薦される
レストラン・朝食料理ジャンル・メニュー・営業時間・料金「朝食バイキングのある宿」で表示
料金・予約宿泊プラン・季節料金・予約ページURL「いくらで泊まれる?」に金額で回答
イベント季節イベント・宴会プラン・ウェディング「花火大会に合わせた宿泊プラン」で発見
周辺観光近隣の観光スポット・アクセス・所要時間「近くに観光地がある宿」で推薦
会議室・宴会場広さ・収容人数・設備・レイアウト・料金「50名の研修ができる会場」で発見

あなたの施設に構造化データはある?

多くのホテルは、構造化データが入っているか・入っていないかを把握していません。確認方法は簡単です。

1
Googleリッチリザルトテストを開く
https://search.google.com/test/rich-results にアクセスしてください。
2
公式サイトのURLを入力
御施設の公式サイトのトップページURLを貼り付けて「URLをテスト」を押します。
3
結果を確認
「検出された構造化データ」に項目が表示されれば実装済み。何も表示されなければ未実装です。
チェック結果の読み方
「Hotel」や「LodgingBusiness」が表示された → 基本的な構造化データが入っています。内容が最新かどうかを確認しましょう
「LocalBusiness」だけ表示された → 最低限の情報はあるが、ホテル固有の情報(客室・料金等)が不足しています
何も表示されない → 構造化データが未実装です。AIが公式サイトの情報を正確に読み取れない状態です

構造化データがあるホテルとないホテルの差

同じ箱根エリア、同じ価格帯の2つの旅館を例に、AI検索での扱われ方の違いを見てみましょう。

質問構造化データあり構造化データなし
「箱根で露天風呂がある宿は?」施設名+露天風呂の情報が引用されるOTAの情報が代わりに引用される
「チェックインは何時?」「15:00から」と即答「公式サイトでご確認ください」と曖昧な回答
「禁煙の和室はある?」「和室10畳(禁煙)あり、定員4名」回答に含まれない(情報を読み取れない)
「いくらで泊まれる?」「素泊まり8,000円〜、朝食付き12,000円〜」「料金は変動します」と一般論
「予約はどこからできる?」公式サイトの予約ページへのリンク付きOTAの予約ページが案内される

構造化データがないホテルはAI検索の回答から外れるか、OTA経由でしか紹介されません。公式サイトへの直接流入の機会を逃している状態です。

御施設はAI検索でどのように紹介されていますか?

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何から始めればいいか

構造化データは一度にすべてを入れる必要はありません。以下の順番で段階的に進めるのが現実的です。

1
施設の基本情報を構造化する
名前・住所・電話番号・チェックイン/アウト時間。AIが施設を正しく認識するための土台です。これだけで「○○駅から近い宿」のような質問に対応できるようになります。
2
自施設の「強み」を構造化する
露天風呂が自慢なら温泉情報、食事が売りならレストラン情報、客室の種類が豊富なら客室情報。自施設が検索されやすい情報から優先的に構造化します。
3
料金と予約導線を構造化する
「いくらで泊まれる?」は最頻出の質問です。料金と公式予約ページへのリンクを構造化すれば、AIがOTAではなく公式サイトを案内してくれるようになります。
4
よくある質問(FAQ)を構造化する
「ペット可?」「駐車場はある?」「Wi-Fiは?」── 宿泊検討者がよく聞く質問を構造化しておくと、AIが公式情報として直接回答してくれます。

自分で実装する?専門家に依頼する?

構造化データの実装方法は、御施設の状況によって異なります。

状況おすすめの方法目安の費用
CMSで公式サイトを管理しているプラグイン導入 or CMS設定画面から入力無料〜数千円
HTMLを直接編集できる担当者がいるかんたん作成ツールでコード生成→コピペ無料(本サイトのツール利用)
Web制作会社に外注している制作会社に構造化データの追加を依頼3万〜10万円(作業量による)
何から手をつけていいかわからない構造化データの診断・実装代行を依頼お問い合わせください

「HTMLを編集できる担当者がいる」場合は、当サイトの各記事に付属するかんたん作成ツールが使えます。施設情報を入力するだけでコードが自動生成され、公式サイトにコピペするだけで実装完了です。

テーマ別の実装ガイド

構造化データの具体的な実装方法は、テーマごとに詳しいガイドを用意しています。すべてかんたん作成ツール付きです。

0
施設基本情報の構造化
Hotel schema の基本実装。住所・電話・チェックイン時間・設備・料金・予約導線を網羅。
詳しく見る →
1
客室タイプの構造化
和室・洋室・スイート。広さ・ベッド・定員・料金を客室ごとに伝える。
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2
温泉・大浴場の構造化
露天風呂・サウナ・泉質・貸切風呂。温泉が強みの施設は最優先。
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3
レストラン・朝食の構造化
館内レストラン・朝食ビュッフェ・メニュー・ルームサービス。
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4
イベント・宴会の構造化
季節イベント・忘新年会・ウェディング・定期開催イベント。
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5
周辺観光地の構造化
近隣スポット・アクセス情報・モデルコース。立地の魅力を伝える。
詳しく見る →
6
会議室・宴会場の構造化
広さ・収容人数・設備・レイアウト・料金。MICE需要を取り込む。
詳しく見る →
+
音声検索・AIO対策
「近くの宿」音声検索に対応するためのFAQ設計と構造化データ戦略。
詳しく見る →
どの記事から読むべきかわからない場合は、まず「施設基本情報」から始めてください。基本情報の構造化はすべての土台です。そのあと、御施設の最大の強み(温泉?客室?食事?)に対応する記事を1つ選んで進めてください。