予約フォームを入れたのに予約が来ない

自社サイトに予約フォームを設置し、OTA依存からの脱却を目指す。方向性としては正しい判断です。しかし、「フォームを入れたのに一向に予約が入らない」という声は少なくありません。

日本旅館協会の調査によると、旅館・ホテルの直予約比率は全体のわずか14.4%にとどまっています。一方、OTA経由の予約は44.9%を占めており、多くの施設で自社サイトからの予約獲得に苦戦している実態がわかります。

14.4%
直予約比率(自社サイト経由)
44.9%
OTA経由の予約比率

出典: 日本旅館協会「営業状況等統計調査」(令和5年度・令和6年度)

予約フォームを設置しただけでは予約は入りません。予約が入らない原因は複数の層にわたっており、一つひとつ潰していく必要があります。以下のチェックリストで、自施設の状況を確認してみてください。

予約が入らない原因チェックリスト

以下の7項目を順番に確認してください。一つでも該当する項目があれば、そこが予約を阻害するボトルネックになっている可能性があります。

そもそも自社サイトに人が来ていない問題

そもそもアクセスがなければ予約フォームの改善は無意味です。集客チャネルの確保が先決です。

チェックリストの最初の項目が最も重要です。予約フォームのUI改善やプラン設計に時間をかけても、自社サイトへの訪問者が少なければ成果にはつながりません。

多くの施設で見落とされているのが、この「集客」と「転換」の順序です。コンバージョン率を2%から4%に改善したとしても、月間100セッションでは月2件が4件に増えるだけです。月間1,000セッションあれば、同じ改善で20件から40件への増加が見込めます。

自社サイトへの集客チャネルの現状

宿泊施設の自社サイトへの集客チャネルとしては、主に以下の4つがあります。

予約フォームのUI/UXの問題

アクセスはあるのに予約に至らない場合は、予約フォーム自体に問題がある可能性が高いです。

よくあるUI/UXの問題点

予約ボタンが見つからない。トップページやプラン一覧ページで予約ボタンの位置がわかりにくい施設は多いです。ファーストビューの目立つ位置に配置し、スクロールしても追従する固定ボタンを設置することを検討してください。

プラン選択から予約完了までのステップ数が多い。理想は3ステップ以内です。日付選択、プラン選択、情報入力・決済。この流れを4ステップ以上に分割すると、各ステップで5〜10%の離脱が発生します。

カレンダーの操作性が悪い。スマートフォンでカレンダーの日付を選択しにくい、空室状況がひと目でわからないといった問題があると、ゲストはOTAに戻ってしまいます。

料金・在庫の同期問題

自社サイトとOTAの料金差や在庫の不整合は、直予約を阻害する大きな要因です。

料金の逆転現象。OTAのセール時期に自社サイトの料金更新が遅れ、結果として「OTAのほうが安い」状態になっているケースがあります。サイトコントローラーの料金連携設定を見直し、自社サイトが常にベストレート(最低価格保証)を維持できる運用体制を整えてください。

在庫の割り当てミス。OTAに在庫を多く割り当てすぎて自社サイトの在庫がゼロになっている、あるいは手動更新で在庫の反映が遅れているケースです。自社サイトにも適切な在庫枠を確保し、売れ残りリスクはサイトコントローラーの自動調整機能で管理することを推奨します。

信頼感の不足

OTAには「大手サイトで予約する安心感」があります。自社サイトでこの安心感を担保できなければ、ゲストは慣れたOTAで予約を完了させます。

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自社サイトへの集客を根本から変える方法

予約フォームの改善は必要条件ですが、十分条件ではありません。根本的な課題は「自社サイトにどうやって人を呼ぶか」です。

ここで注目したいのが、AI検索という新しい集客チャネルです。ChatGPT、Gemini、Perplexityなどの生成AIで宿泊施設を探す旅行者が増えています。

AI検索の特徴は、OTAではなく施設の公式情報を参照して推薦する点にあります。つまり、AI検索で自施設が推薦されれば、そのまま自社サイトへの流入、直予約につながる可能性が高いのです。

AI検索が直予約に有利な理由

予約フォームの改善と並行して、AI検索で推薦される状態を作ること。この両輪で取り組むことが、直予約比率を本質的に引き上げる道筋です。

まずは、ChatGPT・Gemini・Perplexityで自施設がどのように表示されるか確認してみてください。推薦されていない場合は、AI検索最適化(AIO)に取り組む価値があります。